格ゲーと絵描き趣味は似ている

こんにちは。鍋です。

 

このブログでは格ゲーについて書いてきましたが、今回は私のもう一つの趣味であるについて書いていきたいと思います。

というのも、格ゲーとお絵かきが似てるな〜〜と思う瞬間が度々あり、文章でまとめたら面白いかと思ったからです。

せっかくなので、格ゲーの考え方を絵描き趣味に持ち帰った影響が強く出た絵を軸にお話ししていこうと思います。

 

その絵はこちら

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ビフォーがこれ(2019年11月作)

 


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アフターでこんな感じ。(2021年3月作)

 

絵にかけた時間が違っているので完全比較とは言えませんが、ある程度まとまった絵に仕上げられるようになったのではないかと思います。

 

どう意識を変えて描いたのか言語化すると

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おおよそこのような感じになります。

 

2枚目の絵を描き上げるまでにしたことは

・基礎練習をする

・描きたい描写を頭にストックしておく

・お絵かき講座を見る

・本命の絵を描く前に色々な描き方を軽く試す

大まかにこの4つになります。

 

さて、これらを格ゲーに当てはめて言語化してみましょう

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文章と絵が噛み合ってない画像を作っていると気が狂いそうになりましたが、おおよそ「似てる」と感じた要素を並べました。

ピンと来ない人向けにもう少しまとめると、「ある程度戦える能力は持っているが、それを活かすコントロール力がなかったのでその辺りを補強した」感じです。

 

話の構成上、絵→格ゲーといった変換になっているものの、前述した通り実際は逆で格ゲーでやってきたことを絵描き趣味に逆輸入しています。

というのも、数年前まではマジの努力嫌いで絵の練習らしい練習はせず、なんとな~くネットで仕入れた知識や年に数度やる気になった時に模写、落書きはかなり量産する…などなど、気ままに絵を描く人間でした。今も適当ですが。

そもそも「一枚絵を仕上げる」行為にはあまり興味が無く、漫画ばかり描いていたので相応の技量だったと言えるでしょう。たまたまギルティにハマったあたりから一枚絵を描く方に興味が出始めていました。そしてたまたま、技術を磨く面白さも対戦を通して気付いたのでした。

さて、そんな背景を語りつつ、先ほど挙げた「絵を描き上げるまでにしたこと」の4つを軸に細かく解説していきたいと思います。

 

・基礎練習をする

ここでは主に模写で描きたいキャラの描写に慣れることを指します。

この際模写するのは「写真」と「キャラそのもの」をどちらもなるべくやります。

この練習をする時のポイントは、そっくり真似して描くことより、対象のパーツや特徴を覚えることを重視して描きます。

真面目に描くなら上記のような考え方はご法度なのかな、と思いますがこれはあくまで趣味。「そこそこのリアリティ(説得力)がありつつキャラを動かしたい」が目的ですので、自分が嫌にならない程度の負荷で練習します。

シルエットが合っていれば細部が変でもそれっぽく見えるので、まずは全体を大まかに覚えることを意識します。なるべく消しゴムを使わずに描き、いつも落書きしているような感覚で模写をしていきます(その方が身につきやすい気がする)。

ちゃんと見てそっくり描くよう模写→体の流れを意識して模写→気になる細部を模写

みたいな順番で描くことが多いです。

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これは男体の写真を模写した時の落書きです。

もちろん写真なので、腹筋などに明確な「線」は無いわけですが、

「もし自分が描く時はどこの凹凸を線として起こすか?」を考えつつ描いています。写真からどうやってデフォルメした描き方に落とし込むか練習する感じです。

文字にすると小難しく感じますが、「ここに線入れたらかっこいいだろうな~」「ここはこの線で描いたらいい感じになりそうだな~」くらいのノリです。

 

さて、この基礎練習を格ゲーで例えるなら恐らくコンボ練習でしょう。

初めは何も動かないダミーにコンボを当てると思います。これがただ模写している段階です。

次の段階になると、恐らく「実践」または「CPUや何か動きを覚えさせたダミー」に試すと思います。これがパーツを覚えて描く意義に当たります。

何も動かないダミー相手と動く相手にコンボを当てる難しさは違います。動くダミーに慣れたとしても、やはり実践では意識配分や状況などといった要素も入ってくるので別の慣れが必要です。

また、コンボを練習し完走できるようになっても、そもそも始動技が当たらないこともあります。当てるためには対になる選択肢を入れたり、どこで当てることができるのか分析したりと少し工夫が必要になります。

絵も同様に、自分の描きたい構図と完全一致する資料は無い(※構図を資料に合わせるなら別)ので、ある程度想像で補うわけです。そこの補完精度を高めるには、模写など描きたいモノの観察をする時間が必要となります。

つまり、自分なりにどうしたらコンボが当たるか練習するように、絵でも多少構図が違っても平気な程度にモノの構造を理解しておく方が応用が効いてお得と考えています。

  

・描きたい描写を頭にストックしておく

なんとなくでいいので「これ描きたいな~」と思うものを頭に入れておきます。描きたい構図やキャラ、好きなイラストレーターさんの塗りを真似したい。といった物も含みます。

 今回のポチョの絵だと、目が暗い中で光ってて金属部分がかっこよく光ってる感じ…良い……とモヤ~っとしたイメージが元です。

絵自体に前述した「良い」ポイントを付けないと、何に注目したら良いのか分からない魅力が無い絵になりやすいため、最低一つは描きたい部分を盛り込んだ絵を描くよう意識しています。

あと、単純に描きたい部分を探っていると自分はそのキャラの何が好きなのか分かってきて、好きだから描いているという原初の衝動・気持ちを忘れずに描ける気がします。

 

格ゲーで言うと、そのキャラでやりたいこと(対策、コンボなどなど…)に当てはまるかと思います。「次の試合ではこれを試してみよう」みたいなもの全般です。

また、「使用キャラの強みは何か・活かすにはどうしたらいいか」といった部分も関わってくる気がします。

 

人によって使用キャラを選んだ理由は違ってくると思いますが、私の場合は「ポチョなら単発攻撃力がデカいから多少下手でもなんとかなりそう」です。

攻撃を当てるためにはガードや相手の動きを知る必要がある訳ですが、最終的に攻撃力の高い技を当てればいい=ポチョの強みとなっています。

はじめに何を魅力と感じたのか?何が面白そうと感じたのか?ではそれを通すにはどうしたらいいのか? そういった部分を探ると、そのキャラの本筋ではない小手先の技術だけに惑わされにくくなるのかなと思います。

 

・お絵かき講座を見る

これが一番効果がありました。

主にイラストレーターのさいとうなおき先生のチャンネルを見ていたのですが、描く上で何が大切なのかを明確に言語化している点が非常に助かりました。

どうも自分は格ゲーだと言語化された概念に興味が向くようで「何故このコンボ選択をするのか」「キャラの強みは何なのか」など、その人の考え方(結果に至るまでの理由・過程)を聞くのが滅茶苦茶好きです。

例え聞いた時点ですぐ自分に活かせなくとも、自分のキャラにはこんな可能性があるんだ!とモチベーションが上がります。

つまり、たとえ努力嫌いでも、描き方の理由さえ分かれば格ゲーと同じような楽しみ方ができるのではないか?と考えました。

 

youtu.be

こんな感じで、ある程度タイトルやサムネイルでどういう趣旨の動画か分かるので、気になった部分をかいつまんで見ていきました。

なんだかんだで物心ついた頃から描いているものの、専門的には学んできていません(逆になあなあでも描けたから学ぶ事に抵抗感が出ていた)。ならば超分かりやすくまとめてくださった技術解説をありがたくパクって自分のものにしていくしかありません。使えるものは何でも使う精神です。

勘の良い方はもうお分かりかと思いますが、こちらの工程は格ゲーで言うとコンボなどのキャラ講座や強い人の対戦動画視聴に当たります。 

多分お絵かきも格ゲーもそうなんですが、昔より明らかに無料で技術をたくさん見れる環境にあるんですよね。いい時代になった…。

 

・本命の絵を描く前に色々な描き方を軽く試す

こ~んな感じで一ヶ月で8枚?10枚?くらい描きました。

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なんで呪術廻戦の絵なのかっていうと単純にハマってたからです。絵はパッションがあふれ出てる時に描くといい感じのが出やすいぞ!

この時には、一枚ごとに塗り方をある程度変えて「どうしたら自分が満足できる絵を描けるのか」を実験していました。
もう少し具体的に言うと「かけた時間と満足度の釣り合い」「塗りの個人的嗜好」「日を置いて絵を見た時の印象」を評価しました。

 

 一番時間をかけなくていいのはデフォルメイラストです。しかし、デフォルメイラストは個人的にはたまに描ければ良い、くらいの立ち位置です。

塗りの個人的嗜好としては厚塗りっぽい描き方が一番満足度が高かったです。しかし時間がかかりますし、いまいち見た目がパッとしない印象を受けました。

 最後に、一番印象が良かったのはアニメ塗りっぽい描き方をした絵でした。影がはっきりしている塗りが好きということでしょう。時間も厚塗りほどかかりません。しかし、なんとなく野暮ったく感じる部分もあり、一番満足したとは言い難いです。

これらをまとめると、基本はアニメ塗りにしつつ、厚塗りっぽさも入れる。が妥当そうです。ぼかしやムラのある塗りが好きですが「基本はアニメ塗り」とすることで、注目させたい部分だけ特に描き込む、と基本方針が明確になりました。

 

こちらは格ゲーに当てはめると、トレモの動きを試す野試合にあたります。 

 頭の中に理想の動きがあっても、なかなかうまくいかない時があります。そんな時自分の場合は、対戦の前に出来る動きの仮説を立てて実験するつもりで臨みます。

そこまで器用ではないので途中から考えが飛んでしまったりもしますが、意識し続けていれば、初めは一瞬だけできたことも段々常に意識できるようになっていきます。

慣れが重要ではありますが、それ以外にも正解にピントが合う感覚を抱けると、その後は時間がかかっても軸がブレずに成長していけるような気がします。

この辺は個人の感覚による部分が大きそうです。(これ以上うまく説明できない…。)

 

絵にしろ対戦にしろ、何かを考えながら経験を積み重ねていけば理想に近付くことができる。と考えています。

 

・それで結局どうなるの

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こうなる

(これ以外にも色々考えてるよ!)

ここを解説しようとすると記事が一万字越えそうなので割愛させてください。

この絵でやっと初めて「完成した絵」が描けたような気がして、当時はすごく満たされた気持ちになりました。

考えることって本当に面倒なんですが、少し気合を入れて取り組んだら新しい世界が見えてきて、面倒を越えた面白さがあるとしみじみします。 

とはいえ、ずっと気張ってると疲れるのでメリハリをつけると良いのでしょうね。

 

・逆にここは違ってる?なところ

ここまで似ていると感じた部分をお話ししましたが、アウトプットに関しては割と差があるように感じます。

 

絵については、人に見てもらいたければ純粋に描く行為以外に手間をかけなければ難しいです。

例えば、ツイッターですと「タグ付け」「フォロー」「RT宣伝」など、どれかというと営業に部類することをしなければ、人は描いた絵に注目しない・注目する手段がほぼ無いと思われます。(まずアカウントが認知されないので)

また、その時の世間の流行や投稿タイミングなどといったもので、見る人の数が大きく変わるランダム性があり自分の作品が評価される物差しが曖昧になりやすいと考えられます。

そもそも絵の好みとかがある訳で、例え多くの人が評価している作品であろうと、ほぼ確実に嫌いな人間もいるくらい様々な評価をされます。

 

対戦だと(色々な好みはあれど)非常に強いプレイヤー=実力を評価すべき人、となりやすいですが

絵になると、たくさん評価されている作品=自分にとっても評価されるべき作品とはならない、と個人的感性が優先されやすい点が格ゲーと大きく離れていると感じます。 

 

また、評価という観点では、格ゲーだと強制的に目の前にひとり対戦してくれる人、つまり今の自分の強さを見てくれる人がいます。※強くなることを目的とした場合の認識です。

よく一対一のゲームは勝ち負けが明確に決まってしまい敬遠されがちらしい…と聞きますが、絵と比べると、対戦相手が見つけられれば自分を評価する人は必ずいるという点では優しいと感じます。言ってみれば、絶対に勝ちか負けかの感想(評価)はもらえる訳です。

 

しかし、発表できる場所・方法が多くある故に、絵は誰かに見られる度合いを変更できる(交流がなくても成立する)自由性が確保しやすいのに対し、対戦は他人がいないと成立しない、ある種の不自由性があります。

やる事の本質は同じであっても、自分の成果をアウトプットする際の他人の介入しやすさが一番異なっているように思います。

 

・おわりに

一通り感じたことを書いてみました。

本当はもう少し書きたいこともあったんですが、どうしてもまとまらず…。何かの機会で蔵出しできたらいいですね。

 

他の絵描き趣味と格ゲー趣味を兼任している人はどう思っているのか興味深いです。

私の場合、絵が先にあって数年前から格ゲーをやり始めたようなタイプですので、逆の格ゲー→絵タイプな方はまた違った感覚になるのでしょうか。

 

ちなみにですが、漫画制作と格ゲーは似ているかと言われると、個人的にはノーです。

なんか…野試合っぽいような…。

描き切るまでに数か月かかるからあまり類似して見れないのかもしれませんね。

 

また面白い発見があったら懲りずに言語化していきたいと思います。

それでは。